No.278『仲韃』
第278弾投入。
十二国記その他諸々編。
今回は、王が一人、芳国峯王<仲韃(ちゅうたつ)>をば。
うぇんだこー。
これは、ほぼいけたな。
特に問題なくいけました。
さて、仲韃。
十ニ国北西の島国<芳極国>の王……ですが、前王と呼ぶのが正しい。陽子の登極をさかのぼること三年ほど前に、国の全ての州侯による叛乱によって討たれております。
仲韃は元は官吏で、腐敗した前王朝にあっても一人清廉潔白を貫いた、高潔な人物。ゆえに、彼の登極に関しては、周囲の誰もが認めるところであり、また望んでいたものでもあったのですが……。
あまりにも潔白すぎた彼は、一切の罪を認めない。真っ白な国を作ろうと志したわけですが、しかし人の世とはそうそう白くはないもの。罪をなくすために罰を作るが、しかし罪はなくならず、さらに罰を重くするがいっかな罪はなくならない。そうして、どんどん法と罰だけが
苛烈になってゆくのです。
夫役を休んでも死刑、飢えた子供が餅を一つ盗んでも死刑。気が付けがそんな国になり、およそ三百万らしい人口の内、六十万が処刑されたというから驚きだ。
仲韃自身の考え方は、決して悪ではないはずなんですが、ものには限度どいうものがある、という楽俊の談がピッタリです。
案の定、峯麟失道で仲韃の命運もそうそう長くはないはずだったんですが、そんな天の采配を待っていたら国が滅ぶ、と判断した恵州侯・月渓の呼びかけにより、全ての州侯が決起。天によって倒れる前に、民の力によって滅ぼされました。
うーむ、色々と考えさせられる人物だ。
尚、話には祥瓊の父として、その背景を語るための存在なので、主筋には関わらないです。
その後、月渓の話として色々と人柄が語られます。
ほんと、すげぇ高潔な人なんですけどねぇ。ちなみに、部下への褒章は金銀財宝ではなく、文房具。高級な紙、筆、硯などを武官にさえも与えていたようで。ここにも仲韃の潔癖ぶりというか、高尚な感じが出てますね。
次回予告。
中原さんキャラクター130個目。
惑星ゾラのクジラ研究者。老けて見えるがそんな年じゃないはずだ。
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